事業紹介マーベルウッド技術資料

1. 安全性~マーベルウッド最大のテーマ~

(1)魚毒性試験

マーベルウッドの魚毒性について評価しました。マーベルウッドは既製の木材保存剤を注入した木材と比較して、非常に低毒性であることを示す結果となりました。

魚毒性試験結果

薬剤注入量(kg/m3) 木片の体積合計(cm3) 死亡個体数/試験個体数(匹)
マーベルウッド 819 12 0 / 10
銅系木材保存剤
注入処理木材
843 6 / 10
有機系木材保存剤
注入処理木材
828 10 / 10

(2)薬剤成分溶脱試験

試験中の様子

水による注入処理木材からの成分溶脱性を、JIS K 1571に基づいた溶脱試験によって評価しました。マーベルウッドは、既製の木材保存剤と比較して非常に低い溶脱率となりました。これは、マーベルウッドの低毒性・低環境影響性を示しています。

薬剤成分溶脱試験結果

薬剤注入量(kg/m3) 分析成分 溶脱率 分析方法
マーベルウッド 822 DMPAP 1.7% 吸光度法
銅系木材保存剤
注入処理木材
784 16.8% ICP発光分光光度法
有機系木材保存剤
注入処理木材
824 DDAC 23.0% 吸光度法

※溶脱率(%)=溶脱液中の成分量/注入量から計算した木材試験片中の代表成分量×100

2. 耐久性~数々の実証試験が示す性能~

(1)室内防腐試験 (JIS K 1571)

マーベルウッドをJIS規格に準拠した室内防腐試験にて評価した結果、マーベルウッドの防腐性能は性能基準を満たしました。

室内防腐試験結果

供試菌名 質量減少率 (%)
平均 標準偏差
マーベルウッド オオウズラタケ -1.4 0.0
カワラタケ -1.3 0.1
無処理試験体 オオウズラタケ 54.8 6.0
カワラタケ 49.0 4.5

マーベルウッドには耐候操作(※)を施した。
※耐候操作:流水中での8時間浸漬+16時間60℃乾燥を1回とし、これを10回繰り返す。

左:マーベルウッド、右:無処理木材

(2)室内防蟻試験 (JIS K 1571)

マーベルウッドをJIS規格に準拠した室内防蟻試験にて評価した結果、マーベルウッドの防蟻性能は性能基準を満たしました。

室内防蟻試験結果

死虫率 (%) 質量減少率 (%)
平均 最小-最大 平均 最小-最大
マーベルウッド 100 100-100 1.3 1.2-1.5
無処理試験体 8 7-9 31.8 29.4-36.0

マーベルウッドには耐候操作(※)を施した。
※耐候操作:流水中での8時間浸漬+16時間60℃乾燥を1回とし、これを10回繰り返す。

左:マーベルウッド、右:無処理木材

(3)野外防腐試験 (JIS K 1571)

マーベルウッドをJIS規格に準拠した野外防腐試験にて評価した結果、マーベルウッドの防腐性能は性能基準を満たしました。

野外防腐試験結果

観察箇所 被害度 耐用年数 備考
平均 標準偏差
マーベルウッド 頭部 0 0 試験開始6年時点の結果
地際部 0.3 0.5
地中部 0.2 0.6
無処理試験体 頭部 1.9 1.7 1年7カ月
地際部 5.0 0
地中部 4.4 1.1

マーベルウッドには耐候操作(※)を施した。
※耐候操作:流水中での8時間浸漬+16時間60℃乾燥を1回とし、これを10回繰り返す。

左:マーベルウッド、中央:無処理木材、右:試験中の様子

(4)野外防腐・防蟻試験 (丸棒材による野外試験)

実物大の木材を用いて実施した野外防腐・防蟻試験において、無処理材の多くで軽度から重度の腐朽や蟻害が観察されたのに対して、マーベルウッドには腐朽や蟻害は一切見られませんでした。

被害度の分布

樹種 低い←      被害度      →高い
健全 表面に軽度の腐朽もしくは蟻害 中程度の腐朽もしくは蟻害 腐朽や蟻害により形が崩れる
マーベルウッド スギ 100% 0% 0% 0%
ヒノキ 100% 0% 0% 0%
無処理木材 スギ 8.3% 91.7% 0% 0%
ヒノキ 0% 58.3% 25.0% 16.7%

マーベルウッドには耐候操作(※)を施した。
※耐候操作:流水中での8時間浸漬+16時間60℃乾燥を1回とし、これを10回繰り返す。

左:無処理木材、右:マーベルウッド 試験中の様子

(5)野外防蟻試験 (JIS K 1571)

マーベルウッドをJIS規格に準拠した野外防蟻試験にて評価した結果、マーベルウッドの防蟻性能は性能基準を満たしました。

野外防蟻試験結果

試験体No. 食害度
1年目 2年目
マーベルウッド 1 0 0
2 0 10
3 0 0
4 0 0
5 0 0
食害指数 0 0
無処理試験体 1 10 30
2 50 100
3 30 30
4 30 50
5 50 100
食害指数 34 62

マーベルウッドには耐候操作(※)を施した。
※耐候操作:流水中での8時間浸漬+16時間60℃乾燥を1回とし、これを10回繰り返す。

左:マーベルウッド、右:無処理木材

3. 景観性~無処理の木材となんら変わりません~

マーベルウッドは、注入加工によって木材の色感・触感・質感に変化を与えることはありません。そのため、木材の持つ温かく自然な景観性をそのまま活かすことが可能です。

マーベルウッドには防カビ成分が含まれているため、施工後のカビによる黒色変化を抑制する効果があります。写真は、屋外 (屋根なしで直接風雨にさらされる環境) にて1年間暴露したマーベルウッドと無処理木材の写真です。無処理木材がカビによって黒色変化しているのに対し、マーベルウッドは木材の外観を保っています。

屋外暴露試験結果

上:マーベルウッド、下:無処理木材

製作・施工実績 WORKS