事例ショッピングモール テナントリーシングプロジェクト

 

構想・計画

県下最大級のショッピングモールが松本市に進出することになり、テナントリーシング(誘致)活動が本格化して来た頃、ショッピングモール側から、「一緒に専属でテナントリーシングをやって欲しい」という打診を頂いたのが始まりです。かねてより、系列のショッピングセンターやスーパーの中にテナントを誘致してきた実績あり、そこが評価されてのことでした。地域色を強く打ち出すというモール全体のコンセプトに基づき、県内の優れた店舗を誘致するのが当社の役割でした。基本的に全国チェーンはショッピングモール側が、地元の店舗については当社が行うという役割分担で、テナントリーシングを展開しました。

 

プロジェクトチームの編成

社内で数名のプロジェクトチームを組み、そのメンバーが中心となって活動しました。誘致活動が全県下に及ぶため、既存取引先のリストアップや、雑誌やインターネットでの情報収集に加え、金融機関や調査会社とも連携し、支店ネットワークから情報を集めたり、紹介をして頂く作戦を採りました。ショッピングモール本部では、一週間おきに進捗報告の会議があり、プロジェクトメンバーも会議には必ず出席し、常に最新の状況と課題をお互いに共有しながら進めました。

 

課題と解決策

今まで全く面識のない企業に、アポなしで営業に行くことが多かったので、まずは関心を持ってもらうことがポイントでした。そこでショッピングモール側にも了解を得て「リーシングパートナー」と表記した専用名刺を作り、一件一件、地道に足で稼ぐスタイルで展開しました。スタートしてみると、今まで大型のショッピングモールに出店した経験のないお客様がほとんどでしたので、話を聞く前から、賃料が高い、敷居が高い、運営上の制約や諸条件が厳しい・・・などの先入観を抱かれていているケースが多々ありました。
一方、お客様からしてみれば、いきなり全国規模のショッピングモール担当者が来るよりは、まずは地元の当社がアプローチした方が、いい意味で気軽で、本音も言いやすいでしょうから、そのメリットを活かし、当社はひたすら「きっかけ」づくりと、先入観の払拭に徹しました。そして、少しでも興味を持っていただいたお客様には、モールの担当者と同行で説明や条件交渉に当たるという二段構えで臨みました。モール側でも頻繁に長野に入って丁寧にフォローしてくれましたので、最終的には良い結果に終わることが出来ました。

 

 

リーシングから施工受注へ

テナント出店が決定すると、次は内装工事の受注を目指す事になりますが、当社が誘致したテナントに関しては、そのほとんどを設計から施工まで手掛けさせて頂きました。その他、出店テナント側から「地元施工業者を紹介して欲しい」との相談がモール側にあった際は、当社を推薦して頂いたり、モール側発注の共通内装工事やサイン工事も手掛けさせて頂くなど、元請工事と下請工事を合わせて15現場が同時進行していましたので、ピーク時は社員の大半が同じ現場内のあちこちで業務に奔走している状態でした。猛暑の中での工事で、熱中症対策や作業員の安全、体調などにも大変気を遣いました。

 

成果

テナントリーシングに始まり、施工からオープンに至るまで、1年に及ぶ長期のプロジェクトでしたが、多くのテナント誘致に成功し、施工も数多く手掛けさせて頂くなど、大きな成果を上げることが出来ました。リーシング面では、今回のようにモール本部と地元業者が共同で取り組んだケースは初めてではないようですが、これまでめぼしい成果はあがっておらず、実質的に初めての成功事例になったと言って頂きました。その後、モールの担当の方から、会議内で「次の出店地域でも、第二の電弘を探せ」という会話が飛び交っていたよと伺い、一定の評価を頂けたものと思っています。
施工面では、同一現場、同一工期の現場を15件同時進行という、会社でも前代未聞の状況でしたが、最終的には1件として工期の遅れや目立ったトラブルもなく全て無事にオープンまで持って行くことが出来、会社として今後に繋がる大きな自信となりました。