事例村の天然資源をブランド化 スーパー肥料プロジェクト

 

村の天然資源で商品開発

中信地方のある村役場でブランドコーディネーターを務めている方から、村の天然資源を活用した大変ユニークな肥料が製品化できたので、ブランド化して売り出したいというご相談を頂きました。日頃農業に携わることもなく、電話では全く想像がつかないため、早速伺ってお話をお聞きしました。打ち合わせに同席されていたのは、村で様々な野菜を栽培して道の駅などに卸している生産者団体の皆さま。県の元気づくり支援金による補助対象に認められ開発を進めてきたその製品とは、村に自生している「よもぎ」から採れる酵素と、村の土壌に生息している「土壌菌」を混ぜ合わせ、米ぬかと共に発酵させることで出来上がる、通称「ぼかし肥料」と呼ばれるもの。一見すると普通の米ぬかにしか見えないこの商品に、一体どんな秘密とパワーが隠されているのか、早速製造工程を取材しました。

 

よもぎ酵素のパワー

よもぎと言えば、世界中でも利用されているハーブです。 中国や日本でもその薬用効果が注目され、料理に使ったり、入浴剤やお灸の材料として使ったり、生薬として漢方薬にも昔から利用されています。今回のスーパーぼかし肥料の主役は、「よもぎ」そのものではなく、よもぎから採取する酵素とのこと。若く柔らかいヨモギに黒砂糖を加えて発酵させることで、黒っぽい酵素液が得られるのだそうです。

 

自然界の演出に感動

続いて案内されたのは、村内の竹やぶです。なんでも、よもぎ酵素液に混ぜ合わせる菌を何種類も試した結果、村内の竹やぶに常在する土壌菌と組み合わせることで、最も高い効果が得られたとのことです。自然界の不思議さと共に、地域の豊かな大地が育むそのパワーの偉大さに、畏敬の念も感じるエピソードです。そして、このよもぎ酵素液と土壌菌を米ぬかや籾殻と混ぜ合わせ、水分を加えて温度管理をしながら数週間寝かせると、スーパーぼかし肥料が完成するのです。

 

生産者の想いをデザインに込める

こうして製造された「スーパーぼかし肥料」をブランド化して道の駅などで販売し、地域の方や村を訪れた方に美味しい野菜を育ててもらいたい。そんな生産者団体の皆さまの想いを受け、肥料を入れるための肥料袋の製作がスタートです。ここで使われるデザインが、今後の展開におけるキービジュアルになりますので、ブランドロゴの製作には特に時間を掛けました。様々なプランが検討され、最終的には村の名前の頭文字「生」の字を古代文字風にアレンジした案が採用されました。この字は、ゴツゴツした直線の組み合わせで出来ており、CGを使って表現するのも味気ないので、開発に携わった生産者の皆さまに一肌脱いで頂きました!皆さんに筆と墨を使って気持ちを込めて線を描いて頂き、それらの線をデータ化し、組み合わせてブランドロゴに活用したのです。こうして、世界に一つの、生産者の皆さんの手によるブランドロゴが完成しました!

 

この村の野菜は美味しい!

こうして肥料袋が完成し、続いてパンフレットも納品し、いよいよ道の駅などで販売されると聞いています。生産者の皆さまが気持ちを込めて丁寧に製造した、この天然資源100%の安心安全なスーパー肥料を使って、一人でも多くの方が大きくて美味しい野菜を育てて頂きたいと思います。そしてこの肥料だけでなく、この肥料を使って育てた野菜がたくさん道の駅に並び、多くの人に味わって頂き、「この村の野菜は美味しい!」と評判になってくれたら最高ですね。肥料はあくまでも美味しい野菜を栽培するための脇役ですが、この肥料で生産された野菜が村のイメージアップ、ブランドアップに繋がってくれたら嬉しいですし、当社が手がけたロゴやイメージが、そのことに少しでも貢献出来たらと願っています。もちろん自分も、このスーパーぼかし肥料で育った美味しい野菜を、早く頂きたいものです!